【投資】日本郵政株の追加売却に思うこと
政府は9月中に日本郵政株を追加売却すると報道されています。おそらく日本郵政株にはネガティブに伝わる可能性があり少々株価が下落するかもしれませんね。
投資をしていると理論上おかしいんじゃないのかという事象に出会うことが多々あります。
そのうちの一つが親子逆転銘柄です。親子逆転とは子会社の時価総額が親会社のそれを超えていることです。
過去に村上ファンドが親会社である日本放送とその子会社フジテレビの親子逆転に目をつけ、日本放送の株式を大量取得し世間を賑わせたことがあります。
つまり日本放送の保有するフジテレビの株式価値が日本放送自身のそれを超えていたということです。
村上ファンドはそこに目をつけ日本放送株を取得することでフジテレビの株式を間接所有しようと試みました。
親子逆転現象はある種の一時的なギャップであり、理論上は親会社の株価上昇、若しくは子会社の株価下落でそのギャップが解消されるはずです。
そこに目をつけ投資を行うアイデアは面白いかもしれませんが、いつまでもこのギャップが解消されないリスクもあります。
ただ、子会社の時価総額が高く維持されていることは親会社の株価下落の下支えになり、親会社には投資妙味があるということです。
それでは代表的な親子逆転銘柄を探して見ました。
日本郵政(6178)は日本郵政グループの持ち株会社であり、傘下にゆうちょ銀行、かんぽ生命、日本郵便の三者がぶら下がっています。
上場企業である親会社である日本郵政の時価総額は6.1兆円、子会社であるゆうちょ銀行の時価総額は6.2兆円、かんぽ生命の時価総額は1.4兆円となっております。
ここで日本郵政とゆうちょ銀行の時価総額が逆転しています。(ゆうちょ銀行は日本郵政の完全子会社でないので純粋な親子逆転とは言えないかもですが。。。)
調べてみると日本郵政のゆうちょ銀行株の持ち株比率が74.1%であり、持ち株の時価が4.7兆円でした。また、かんぽ生命の持ち株比率は89%であり、持ち株の時価は1.2兆円でした。
単純に考えると日本郵便の時価総額は0.2億円になるということでしょうか。安すぎやしませんかね。
日本郵政はゆうちょ銀行株とかんぽ生命株を早期に全株売却することになっているため、日本郵政株に投資することは将来的に日本郵便に投資することになります。
日本郵便の将来性に希望を持てるのであれば今回の政府の日本郵政株追加売却で現在の水準より株価が下がるとき、最大の投資チャンスが訪れるかもしれませんね。