メガネ君の長期投資大作戦

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日本国債はなぜ暴落しないのか

 GW中、やることがなくて読書ばかりしています笑。普通の小説をまったり読むのも好きなのですが、なかでも経済系の小説を読むのが好きです。

 

 今回、「日本国債」上、下を読了しました。

本作が舞台にするのは2000年代初頭の日本国債市場なのですが、現在にも通ずるところがあり、フィクションといえどリアリティがありました。

 この時代、シ団(シンジゲート団)引受方式という国債発行を安定的に消化するシステムがあったのですが、このシステムに疑問を呈する凄腕債券ディーラーが協力し日本国債の未達を引き起こすというなんともダイナミックな内容となっています笑

 

シ団引受方式→国と国債募集引受団(シンジケート団=シ団)との間で発行条件を決めて募集取扱いおよび残額引受契約を結んで国債の発行を行う

 

 ちなみに、シ団引受についてはその後、廃止されプライマリーディーラー制に移行しております。プライマリーディーラー制については昨年、三菱UFJがその資格を返上したことで話題になりましたね。

 

プライマリーディーラー制度(国債市場特別参加者制度)→この制度は、国債入札への積極的な参加など、国債管理政策上重要な責任を果たす一定の入札参加者に対し、財務省が「国債市場特別参加者」として特別な資格を付与することにより、国債の安定的な消化の促進、国債市場の流動性の維持・向上等を図ることを目的としています。

 

 上記の2つの制度は両者とも国債の安定的な消化を最大の目的としています。(シ団引受方式はすでに廃止されています。)

 特にプライマリーディーラー制については「特権を与えるから最低でも4%は応札しろよ。」という官製談合に近いシステムが現在でも続いているという状況です。

 日本国債は安全であるという神話はもはや過去の話です。資格返上した三菱UFJに続く流れが他の金融機関にも続くと日本国債の安定消化にも悪影響が出始めるかもしれません。